基本から「なぜ?」まですっきり理解できる 古生物超入門
著:土屋 健/監修:芝原暁彦
「常識」はどんどん変わるからおもしろい! 楽しくわかる教養としての古生物入門
アンモナイトからアノマロカリス、ティラノサウルスからマンモスまで……。 つながりや理由がわかると、古生物がもっと見えてくる!
鳥と恐竜の関係は? 大量絶滅の原因は? 日本はかつてゾウ大陸だった? スピノサウルスは二足歩行? 四足歩行? この本は、そんな疑問に応える「教養としての古生物入門」です。
「古生物に興味がある!」「昔好きだったなあ」「久しぶりに博物館に行ってみたくなった」「子どもにどのように説明しよう?」 そんな方はもちろん、知識がまったくなくても、この本を読むと古生物の基礎知識が身につくとともに、改めてその魅力に気づくはずです。 大人の方であれば、子どもの頃に知った「常識」も、古生物の世界ではどんどん変わっていることに驚くことでしょう。
この本では、最新の研究に基づき、人類誕生以前、地球に存在した数々の古生物はどんな生活を送っていたのかや、化石の秘密や古生物の名づけや分類方法など、さまざまな角度から古生物の基本をわかりやすく解説していきます。 また、本書を通じて、現代に生きる私たちが、いま古生物のことを学ぶ意味にも気づかせてくれるかもしれません。
古生物学の入り口ともなるこの本といっしょに、その楽しさに迫っていきましょう!
【ポイント】
〇30のトピックスと5つのコラムで、古生物の基礎教養が楽しくわかる
〇筆者おすすめの全国24の古生物にまつわる博物館を紹介!
〇情報の調べ方や博物館の楽しみ方など、科学リテラシーを高めるヒントも満載
【目次】
■第1章 はじめての古生物学
- 古生物学って何?――古生物学と考古学の違い
- フタバスズキリュウとフタバサウルスの違い――和名と学名の話
- 進化とは何か?――進化を考える「基本のキ」
- 「○○万年前~○○万年前」は、「期間」じゃない――地層の年代の話
- 絶滅の原因は謎だらけ――大量絶滅の理由
- 「当たり前」を「当たり前」に考える――論理の根幹たる「斉一説」
- 化石から太古の地理がわかる――大陸移動説とその証拠たる化石の話
- 【columun もっと知りたい古生物】恐竜とは何?
■第2章 化石の謎
- 冷凍マンモスも化石?――化石とは何か?
- 〝ざんねんな古生物〟なんていない――化石化のメカニズム
- 変化がない、という〝成功者〟――「生きている化石」とは?
- 「戦いは数だよ、兄貴!」は古生物学でも通用する――現代文明を支える化石がある
- 「化石の王様」は恐竜じゃない――数と多様性の話
- 【columun もっと知りたい古生物】古生物のサイズの測り方
■第3章 魅力的で魅惑的な古生物たち
- アノマロカリスは〝不思議生物〟じゃない――カンブリア「爆発」はなかった
- ターリーモンスターは、サカナか否か――新説発表のたびに姿が変わる
- 哺乳類型爬虫類は爬虫類じゃない――哺乳類の祖先の進化について
- スピノサウルスは二足歩行? 四足歩行?――今、ホットな恐竜議論
- ティラノサウルスの食生活を知る方法――うんこ化石に〝詰まっているモノ〟
- 鳥類は、恐竜類の「生き残り」――鳥類の初期進化について
- 「最大級」の恐竜が抱える謎――超大型恐竜ほど、全身の化石は珍しい
- 【columun もっと知りたい古生物】恐竜類から哺乳類へ
■第4章 生物の進化で地球がわかる
- 「異常巻きアンモナイト」は、〝異常〟じゃない
- 恐竜絶滅の〝トリガー〟は、隕石でほぼ確定。しかし……
- かつてクジラはオオカミのような姿で、陸を歩いていた
- 日本で小さく進化したゾウ――生息地の広さと進化の関係
- ユニコーンの正体――化石から創造された伝説
- 温暖化の進む未来――氷河期と新たな大絶滅
- 【columun もっと知りたい古生物】大昔の気候は? 気候変動はなぜ起きるのか?
■第5章 もっと古生物を楽しむために
- リテラシーを得る――信用できる古生物情報の入手の仕方
- 今日の〝正解〟は明日の〝間違い〟かもしれない――日進月歩の科学のおもしろさ!
- 研究への2大アプローチ――地質系と生物系。そして、その他
- 地域別おすすめ博物館――実は古生物大国ニッポン
- 博物館の楽しみ方――知っておくと、もっと楽しい鑑賞のポイント
- 【columun もっと知りたい古生物】情報の向き合い方
【著者】
土屋 健(つちや・けん)
オフィス ジオパレオント代表。サイエンスライター。日本古生物学会会員、日本地質学会会員、日本文藝家協会会員。 埼玉県生まれ。金沢大学大学院自然科学研究科で修士号を取得(専門は地質学、古生物学)。科学雑誌『Newton 』の編集記者、部長代理を経て2012年に独立・現職。2019年、サイエンスライターとして史上はじめて日本古生物学会貢献賞を受賞。近著に『古生物水族館のつくり方』『古生物動物園のつくり方』(ともに技術評論社)『サピエンス前史』(講談社)など、著書多数。
【監修】
芝原暁彦(しばはら・あきひこ)
古生物学者、博士(理学)。福井県生まれ。筑波大学大学院で博士号を取得(専門は微化石学、古環境学)。その後、つくば市の産業技術総合研究所(産総研)で化石標本の3 D計測やVR展示などの研究開発を行った。 2016年に産総研発ベンチャー「地球科学可視化技術研究所」を設立し所長に就任。また、東京地学協会、日本地図学会の各委員を務める。主な著書に、『おせっかいな化石案内』(誠文堂新光社)、『恐竜と化石が教えてくれる世界の成り立ち』(実業之日本社)ほか多数。